相続税の申告

相続税とは

相続税とは、死亡した人の財産(相続財産)を相続・遺贈によって取得した人に対して課される税金です。

相続税には、「相続税の基礎控除額」があり、その計算方法は次のとおりです。

基礎控除額=5,000万円+1,000万円×法定相続人の数

【計算例】妻、子供2人
5,000万円+1,000万円×3人=8,000万円

相続財産額が基礎控除額以内(上記の計算例では8,000万円以内)なら、相続税は課税されず、申告する必要もありません

現況では、相続税の申告が必要な方は、相続全体の4%程度ですので、大多数の方は相続税の申告の必要はありません。

また、予想される税制改正が成立し、相続税の課税ベースが拡大されたとしても、相続税の申告が必要な方は、相続全体の6%~8%に増加する程度と試算されており、少数であることに変わりはありません。

財産を相続すれば税金がかかってくると誤解されている方もいらっしゃいますが、相続税の基礎控除額は大きく、また、数々の特例がありますので、この特例の適用を受けることで相続税の納税がなくなる場合もあります。(ただし、特例の適用を受けるには申告を行う必要があります。)

相続税の申告期限に注意

相続税の申告・納税は、相続の開始があったことを知った日の翌日から10か月以内に、死亡時における住所地を管轄する税務署に対して行わなければなりません。

申告期限までに申告しなかった場合には、本来の支払うべき税金に加えて加算税・延滞税が課税されます。さらに、相続税の節税効果の高い特例の適用を受けることができません

相続税が課税される可能性のある方、特例の適用を受けて相続税の納税をなくす、あるいは減額する場合には、早めの準備が必要となりますので、ご相談ください。

特例の適用には遺産分割の確定と相続税の申告が必要

節税効果の高い相続税の特例

1.小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例

相続した土地の評価は、路線価方式、または倍率方式で計算して評価額を算出しますが、居住用の自宅や事業に供している土地は、この特例の適用を受けることにより、最大80%まで評価を減額することができます。(減額できる面積には上限があります)

たとえば、土地の評価額が5,000万円の土地にこの特例の適用があると、次のようになります。

5,000万円×(1-80%)=1,000万円

土地の評価額の高い都市部では、この特例の節税効果には大きいものがあります。

2.配偶者の税額軽減

配偶者の相続分が法定相続分以下か、それを超えても相続した財産の総額が1億6,000万円までは、相続税の課税対象にならないという制度です。

たとえば、配偶者が10億円の財産を相続して、計算上の相続税額が5億円近くあっても、法定相続分以内の相続であれば相続税は課税されません。

財産形成の配偶者の貢献と老後の生活保障の観点から設けられた配偶者優遇の制度です。

遺産分割の確定と相続税の申告が不可欠

これらの特例は相続税の法定申告期限(相続開始の日の翌日から10カ月以内)までに遺産の分割が確定しており、さらに相続税の申告をしなければ認められない制度なので相続税が課税されなくても申告は必要です。

遺産分割で争いが生じ、協議がまとまらないケースがありますが、遺産分割協議を成立させないと、相続税の納税額でも大きな不利益を被ることになります。

遺産分割協議を円滑に進め、相続人全員が納得できる内容で成立させることが相続における最も重要なポイントです。

遺産分割協議はこちら

相続税の申告のポイント

相続税の申告書を個人で作成するのは困難ですので、税理士に依頼して作成してもらうことになります。そのため、税額計算の細かい知識を理解しておく必要はありません。

しかし、知らなければ大きな不利益を被る期限・手続きについては注意してください。

  1. 相続財産額が基礎控除額以内なら、相続税は課税されず、申告する必要もない
  2. 相続税が課税される場合、相続税の申告には法定申告期限(相続開始の日の翌日から10カ月以内)がある。
  3. 相続税が課税される場合、法定申告期限内に申告しないと本来の支払うべき税金に加えて加算税・延滞税が課税される。
  4. 相続税には、小規模宅地等の評価減の特例・配偶者の税額軽減といった、節税効果の高い特例がある。
  5. 特例の適用を受けるには、法定申告期限までに遺産の分割が確定しており、さらに相続税の申告をしなければ認められない制度なので相続税が課税されなくても申告が必要となる。

相続税の申告は、相続税に強い税理士に依頼しましょう

相続税の申告は、非常に専門性の高い分野であり、得意としている税理士はごく少数にすぎません。そのため相続税申告の経験の少ない税理士に依頼すると、知識不足と税務調査による追徴をおそれるあまり、不必要に過大な税額を算出することが少なくありません。

経験豊富な税理士が計算し直すと、かなり税額が減少したというケースを何度も経験しました。

大阪・相続遺言相談パートナーでは、相続税申告に積極的に取り組んでいる経験豊富な税理士事務所と提携しておりますので、相続税の申告が必要な場合でも、税理士と連携して最適なサポートを提供させていただいております。相続税が気になる方も、まずはお気軽にご相談ください